バンドマンが自らレーベルを立ち上げる
バンドマンが自らレーベルを立ち上げる
RYOJIさん[TV-FREAK]
97年7月にヤング・パンチのフクイ氏とともにTV-FREAK設立。ボットショットは昨年解散。現在、新バンド「RYOJI&THELASTCHORDS」にて活動中。http:/d.hatena.ne.jp/RYOJI/
ボットショット時代にレ一ベルをスター卜。自分もバンドマンゆえに、利点もあれば悩みもあったという。そこらへんもぶっちやけトークをしてもらった。なおTV-FREAKは安い値段設定も魅力の良心的なレ一ベルだ。
もっとバンドサイドに立ったレーべ^/があつてもいいのかなつて。
最初は売れた人がやるもんだと思ってたんです(笑)。
—TV-FREAKの始まりは?
「自分の場合、いつかレ一ベルを作ってやろうとたくらんでいたわけじやなくて、急に順番が来たと言いますか。下北をフラフラしてたら、UKプロジェク卜の社長(現・会長)に“今スカパンクのシーンがおもしろそうやから友達のバンドを10個呼んでこい。それで才ムニバス作れ。レーベルや!”って言われて。それでスタートしたのがぶっちやけなところですね」
—なりゆきで(笑)。
「でも、そこで思つたのが、結局“やります!”って言った次点で、もうインデイ—レ一ベルってできるんだ、みたいな。名前つけた次点で始まるっていろか。だから難しく考えすぎてたのかなって。今まではそれこそ『DOLL』とかチエツクしてインデーズレ一ベルにデモテ一プを全部送ってたんですけど、手あげちやえばここの1個になれるんだ、みたいな。それがわかったのはすごくおもしろかったですね」
—そもそも憧れはあったんですか?
「なんかカツコいいな、みたいな。当時ビ一ステイ•ボ一イズがやつてたグランドロイヤルとかバッド・レリジョンのエピタフとかの情報は入ってたんで、バンドの人がレ一ベルをやるつていう概念はあったんですけど、そういうのはそこ売れた人たちがやるもんだとおもってたんで(笑)」
—最初の志はどんなでした?
「もっとバンドサイドに立ったレ一ベルがあってもいいのかなみたいな。だから基本はまず友達のバンドを出すっていうのがコンセプトでしたね。やり方とかがわかんなくて困ってる友達のハンドの手助けができればっていう」
一ただ、バンドマンの気持ちを大事にしつつも、レ一ベルとしてはおさえなきやいけないところもあるじやないですか。お金とか。そのバランスはどうとっていったんですか?
『最初はダメでしたね。すべてにおいてバランスはくずれてました。バンドマンの気持ちはわかるんだけど、大人の事情もあったみたいな。だから最初はケン力別れもありましたし。で、リリースをやめた時期もあったんですよ。ボットシヨツ卜だけ出すレ一ベルでもいいのかなと思って、1年ぐらいポットシヨツ卜以外のリリースをやめて。でもやっぱり出会っちゃうんですよね、バンドに。それからは、最初にできないこともあるって言ってからつきあうっていう方法を編み出して。逆に、“明日よそのレ一ベルが来てもっといいなと思ったらそっちにいってくれて構わない”って言ったし。そのへんが解決法でしたね」
—初期の思い出は?
「いざコンピ作ろうってなっても、メンツが集まらなかったんですよね。意外に断る人もいて。いきなり面食らいましたね、“あれ?”みたいな(笑)」
—でも、出せたことで感慨は?
「それもジワジワだったんですよね。というか、作ったのが出て、半年とか1年とかして、それが現金になったときに。"あれ、なんだろうこれ?”みたいな。どっかで遊びの延長だったんで、いざそうなったときに、“これはすごいな”って思って(笑)」
—自分がバンドマンであるということで注意していることは?
「やっぱり見え方っていうか、カツコよくないとダメだつていろ。お金のことばっかり考えるのはいけないな、みたいなのは気をつけてますね」
—今後の野望は?
「せっかくここまでやってきたので、居心地がよくておもしろそうな、カツコよさそうなことやってるっていうのを維持できるといいなっていうのはありますね。あと、自分はちょっと年とってきたっていうのがあるので、6対4くらいのレ一ベルになってもいいのかなって、こっそり思ってたり(笑)」
—6がレ一ベルで、4がバンドマンで。それが10対0にはならない?
「今32歳なんですけど、40代になつたらそうなつてるかもしれないですね。でも今は自分のバンドを準備してて、それをまず出してから6になろうかなって思ってて」
—これからレーベルを始めようと思っている人にアドバイスを。
「まずレーベル名を今すぐ決める。もうそれだけ。あとは勝手に動き出しますから。名前決めたんだから作品出そうってなるじやないですか。だからまずカツコいい名前をつける。あと、まわりに言っちやうことですね、レーベル作ったって。それでモチベーションも上がりますからね」
—やっぱり発想がバンドマン的ですね(笑)。
「そうかもしれないですね(笑)」
2006年「音楽主義」より